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コロプラのエンジニアブログです

Google Cloud Next '26 に参加しました

こんにちは、エンジニアの千葉です。

今年もラスベガスで開催されたGoogle Cloud Next '26に参加してきました。コロプラとしては3年連続の現地参加です。

今年のテーマは "The Agentic Cloud" で、AIエージェントの実運用フェーズへの移行が大きく打ち出された年となりました。

コロプラからは竹ノ内、齋木、千葉の3名が参加しました。

過去2年の参加レポートも公開していますので、あわせてご覧ください。

blog.colopl.dev

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準備

3年目ともなると準備の勘所もだいぶわかってきました。ここでは、次回以降に参加を考えている方に向けて準備のポイントを紹介します。

ホテルと航空券の手配

参加が決まったら、まずホテルと航空券を押さえることをおすすめします。Cloud Nextの開催期間中はラスベガス全体の宿泊需要が上がるため、直前になるほど価格が高騰し、会場に近いホテルの選択肢も減っていきます。早めに動くだけで費用面でも利便性でもかなり差が出ます。

セッションの予約

約1ヶ月前に公式サイトのSession Libraryが公開されます。気になるものは早めに予約しておきましょう。

今年のセッションは以下の10種類で構成されていました。

  • Keynote(基調講演、75〜90分)
  • Spotlight(キーノート形式のデモや新技術紹介、45分)
  • Breakout(技術的なディープダイブやパネルディスカッション、45分)
  • Lightning Talk(特定のユースケースや事例を紹介する短いプレゼン、20分)
  • Birds of a Feather(職種や業界別のピアディスカッション)
  • Developer Meetup(開発者同士のカジュアルな交流会、45分)
  • Discussion Group(少人数のエキスパート主導Q&A、30分)
  • Lounge Session(Community LoungeやStartup Hubでのファイアサイドチャット、30分)
  • Skills Zone Workshop(Google講師によるインタラクティブなハンズオン、45分)
  • Solution Talk(ホワイトボードやQ&Aを活用したアーキテクチャ相談セッション、45分)

自身の関心事で選ぶという目線ももちろん大事ですが、話を聞きたい、対話をしたい、手を動かしたいなど、各自に合わせた体験の選択も考えたいところです。

その他の準備

  • 公式アプリはセッション管理だけでなく会場マップの確認にも使えるので、事前にインストールしておくと当日スムーズです。
  • Discussion Groupや日本向けイベントでは名刺交換の機会もあるので、多めに持参しておくとよいでしょう。
  • セッション以外にもExpoの展示が見応えがあるので、あまり予定を詰め込みすぎないほうがいろいろ回れます。

渡航・スケジュール

今回の全体的な出張スケジュールは以下の通りです。

日付 時刻 場所 内容
4/21(火) 17:00 Tokyo 日本発
4/21(火) 18:00 Las Vegas ハリー・リード国際空港到着
4/22(水) 終日 Mandalay Bay Google Cloud Next '26
4/23(木) 終日 Mandalay Bay Google Cloud Next '26
4/24(金) 終日 Mandalay Bay Google Cloud Next '26
4/25(土) 07:00 Las Vegas ハリー・リード国際空港発
4/26(日) 15:30 Tokyo 日本着

Opening Keynote

Google Cloud Next の会場入口サイン

Google Cloud Next '26 の壁面装飾

カンファレンス初日の朝、Mandalay Bayのメインホールで基調講演が開催されました。

今年のOpening KeynoteではSundar Pichai氏(Google CEO)によるGoogle社内でのAIエージェント活用事例も紹介され、AI活用のフェーズが実験段階から実運用段階へ移りつつあることを強く感じる内容でした。Google Cloudはエージェントを取り巻く全てのレイヤーについて強力にサポートしていく体制を示しています。特にVertex AI改め「Gemini Enterprise Agent Platform」にまつわる内容は今年の目玉として注目を集めていました。

cloud.google.com

  • AI基盤の可観測性向上
    • OpenTelemetry準拠のObservability基盤が追加され、AIを監視・統制可能なコンポーネントとして扱う土壌が整いつつあります。
    • Observability overview
  • セキュリティ・運用の自律化
    • Wiz社の統合や「Agentic SOC」により、脆弱性検知や脅威の調査だけでなく、一歩進んだ修正や運用の自動化までがAgenticなプロセスの一部になっていくメッセージを感じました。
    • The agentic SOC
  • マルチクラウドのデータ統合
    • 「Cross-cloud Lakehouse」により、データ統合なしで外部プロバイダへ直接クエリが可能になり、マルチクラウド間のデータ活用が容易になります。
    • About Cross-cloud Lakehouse
  • インフラの最適化

昨年のNext '25では「プロンプトからエージェントへ」という流れのなかで、Agent Development Kit(ADK)やAgent2Agent Protocol(A2A)が登場し、エージェント開発の土台が示された印象がありました。今年の発表を受け、この1年でフェーズがまた大きく動いたことを実感しました。

なお、2日目に開催されたDeveloper Keynoteでは、Opening Keynoteで示された概念を具体化するAgenticな開発運用の例が紹介され、特に「Agent Observability」の強化が印象的でした。ブラックボックス化しがちなLLMや周辺ハーネスの挙動の可観測性を高め、AIエージェントを実運用に乗せるうえでの実践的なTracingの分析手法などが示されていました。

セッション

ここからは、参加メンバーが実際に聴講したセッションのなかで特に印象に残ったものを紹介します。

What's in the box?

AIやLLMを組み込んだシステムが本番稼働フェーズに入るにつれ、その挙動がブラックボックス化していることに対する課題感が大きくなってきています。

本セッションでは、LLMを特別なもの(Mystery Box)ではなく、監視・制御すべき一連のシステムコンポーネント(Glass Box)として扱うLLM Observabilityの実践手法が解説されました。具体的には、以下のようなLLM特有のシグナルを、アプリケーションのObservabilityと同様に捉えて信頼性を高めていく方法が紹介されました。

  • パフォーマンスの可視化
    • TTFT(Time To First Token、最初のトークン生成までの時間)などを計測し、ユーザーの体感速度を監視する。
  • コストと品質の統制
    • トークン消費量と実際のクラウドリソース費用を紐付け、プロンプトの冗長化やエラーによる無駄なリトライ(コストスパイク)を検知する。

コロプラのバックエンド開発においても、今後LLMを本番稼働フェーズで活用していくことが予想されます。AIエージェントの一連のコンポーネントに対してSREの観点から「速さ・信頼性・品質」を担保しつつ、コストを適切にコントロールする監視体制構築の必要性を再認識しました。

What's new in Google Cloud databases for the agentic era

Google Cloud上でオンラインゲームを多く提供しているコロプラとして、データベース関連のセッションは特に注目して聴講しました。本セッションでは、AIエージェントが自律的にデータを扱う時代を見据え、マルチモーダル対応とリアルタイムな一貫性を備えたデータ基盤の必要性が示されました。

特に注目したアップデートが、プレビュー公開されたSpanner Omniです。Spannerがコンテナ化され、ローカル環境や他クラウド、オンプレミスでも稼働可能になったことで、開発環境の完全な同期や、物理的な距離を考慮したデータ配置の柔軟性が飛躍的に高まります。また、より高い応答性能が求められるワークロードに対しては、In-memory Bigtableによる低遅延化という選択肢も補完的に示されました。

cloud.google.com

Transform app deployment and management with AI

複雑化する運用管理をAIエージェントで一元化するアプローチについて、PayPal社の具体的な事例を交えて解説されていました。単なる自動化を超え、リリースから長期安定稼働までのギャップを埋める統合フレームワークの概念は、大規模トラフィックを扱うゲーム基盤における運用フェーズの進化を考える上で非常に示唆に富む内容でした。

What's new in Spanner: Enterprise-scale AI, search, graph, and analytics

こちらでもSpanner Omniの内容には注目しました。これまでGCP専用だったSpannerが、オンプレミス、他クラウド、Kubernetes、さらにはローカルPCやエアギャップ環境にまでデプロイ可能になります。Spannerという強力なサービスを環境を問わず採用可能になることで、マルチクラウド戦略など今後のアーキテクチャ設計の前提を大きく変えうるアップデートだと捉えています。キーノートで言及のあったLakehouseとの関係や、新たに本セッション内で触れられた「Spanner queues」といった新機能も興味深いです。

ラウンドテーブル

今回はSpannerのラウンドテーブルに参加させていただきました。カンファレンス内で新たに発表があったSpanner関連の話題や、ユーザー企業の声を直接Google Cloudのエンジニアにぶつけることができる貴重な機会です。コロプラからも事前に社内から募ったSpannerに関する質問や要望を一部伝えることができ、有意義な時間となりました。時間に収まらず全ての質問を取り上げていただくことは叶いませんでしたが、また機会があれば直接フィードバックできればと考えています。

Expo 展示エリア

会場内にはExpoエリアも設けられており、Google Cloudのパートナー各社がソリューションをデモ付きで展示していました。

大小のブースやGoogle自体の展示が大量に並んでおり、圧巻の光景でした。Google Cloudを各社がどう活用しているかの具体例を知ることができるので、セッションとは違った知見も得られる刺激的な空間でした。

Expoエリアの Google Cloud Showcase

また、Expoエリア内にも登壇スペースが設けられており、Live APIを活用してその場でスライドを生成させながら発表するLive LTのような独創的なセッションも開催されていました。一日中Expoエリアにいても十分満喫できるコンテンツ量だったと思います。

Expoエリアでのセッションの様子

Security Hub Theater のセッション

Expo Theater 2 のセッション

その他イベント

Cloud Nextではセッション以外にも交流イベントやエンターテインメントが用意されています。

Japan Welcome Reception

ラスベガス到着日、カンファレンス0日目にはJapan Welcome Receptionが開催されました。しかし、移動の余裕を優先したため到着が直前となり、短時間の滞在となりました。それでも日本人参加者の規模感を把握できたのは良かったです。

GME Night

カンファレンス初日の夜にはGME Nightが開催されました。日本から参加の企業向けのネットワーキングディナーとなっており、様々な業界の各社が参加していました。普段あまり接点のない業種の方々と会話ができたことで新鮮な刺激を得ることができました。

ゲーム業界の参加者との交流

カンファレンス2日目にはNext at Nightというアーティストによるライブイベントが開催されていましたが今回はこちらには参加せず、我々はゲーム業界の参加者同士で集まり交流を深めました。クラウド活用から働き方まで様々な話題で盛り上がり、大規模イベントならではの貴重な交流の機会となりました。

Japan Session & Reception

カンファレンス最終日には日本からの参加者向けに、日本語でのセッションまとめとネットワーキングが行われました。前半のセッションでは今回の各種アップデートについて日本語で解説いただき、非常に理解が深まりました。後半のReceptionではイベント中に交流させていただいた方やGoogleの方にご挨拶と技術的な質問などをさせていただきました。最初から最後までGoogleの手厚いサポートが受けられ、安心してカンファレンスを満喫できました。

Sphere 観光

Google Cloud Nextとは直接関係ないですが、せっかくラスベガスに来たということで象徴的なエンタメ体験をすべく、最終日にSphereという新しいエンターテインメント施設に行ってきました。映像だけでなく音響や照明、炎や煙といった特殊効果も駆使される巨大なドーム型の劇場で、最新のテクノロジーを駆使した圧倒的な没入感を体験できる施設でした。

Sphere全景

社内報告会

帰国後の4/27(月)には早速社内で報告会を実施し、現地で得た知見や旅の様子を共有しました。次回以降も会社として参加していくために、今回の体験を鮮度高く社内に伝えることができて良かったです。

社内報告会の様子1 社内報告会の様子2 社内報告会の様子3

おわりに

近年のAI熱のまさに最前線を感じられるカンファレンスとなっており、登壇者や参加者の熱量も非常に高かったと感じました。Google Cloudの各サービスをいかにAgenticに実践活用していくかというフェーズになっていることを強く実感し、今回の学びを少しでも多く日々の業務に活かしていきたいと考えました。

自分たちと同じようにGoogle Cloudを使い、その情報を追いかけている人たちの生の様子を見られたことがオフライン参加ならではの収穫だったと思います。

次回のGoogle Cloud Next 2027についての情報も公開されました。2027年4月13日〜15日に、同じくラスベガスのMandalay Bay Convention Centerで開催されるそうです。この記事が次回以降のGoogle Cloud Next開催に向けて、社内外で参加を考えている人の参考になれば幸いです。



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