こんにちは、エンジニアの 工藤 です。
突然の前置きですが、今回の記事はエンジニアだけじゃなく、位置情報ゲームをプレイする方々にも有用かもしれません!
現在、コロプラでは COLOPL Gaming Maps を開発・リリースするなど、「コロニーな生活」に始まる祖業である「位置ゲー」へ注力しています。
※「位置ゲー」は株式会社コロプラの登録商標です

「位置ゲー」を実現するには様々な技術とノウハウが必要です。これは COLOPL Gaming Maps のような地図データ、 POI (Point of Interest, 公園などその場所に関する情報) の運用、タイリングはもちろん、 "現在自分が地球上のどこに居るのか" を特定する、いわゆる "GPS" に関するノウハウもとても重要になってきます。
「GPS」 って、そもそも何?
皆さんが利用されているスマートフォンには当たり前のように GPS 機能が搭載されていると思います。では、 GPS とは一体何なのでしょうか?
GPS は Global Positioning System の略称で、 宇宙上に打ち上げられた人工衛星を用いて、地球上のどの位置に自分が居るのかを知ることができる 機能です。
厳密には、 GPS はあくまでもアメリカが打ち上げた衛星に対する呼称であり、国際的には GNSS (Global Navigation Satellite System) と呼ばれます。例えばそれぞれ以下のような形で呼称が異なります。
- アメリカ:
GPS(Global Positioning System) - 日本:
QZSS(Quasi-Zenith Satellite System, みちびき) - 中国:
BeiDou(北斗) - EU:
Galileo - ロシア:
GLONASS - インド:
NavIC
近年のスマートフォンでは GPS 以外にも様々な衛星に対応されるようになってきており、現在では当然のようにほとんどの GNSS に対応しています。 例えば iPhone 17 はこれらすべての衛星に対応 しています。
一方で、古いスマートフォンでは対応していない衛星があったりもします。特に日本の QZSS に対応しているかは重要で、 GNSS を利用した位置情報の特定には複数の衛星からの電波を利用すること、 QZSS は基本的に日本をフルカバーするように運用されていることから、 QZSS 対応 / 非対応のデバイスでは精度がかなり変わってきます。
更なる高精度を達成できる「L5バンド」
「じゃあ、とりあえずすべての GNSS に対応したスマートフォンを使えば位置ゲーは快適に遊べるんだね!」と思うかもしれませんが、 実はそれだけではないのです!
昨今の GNSS は従来の互換性の高い L1 バンドと呼ばれる周波数以外に、 L5 バンド と呼ばれる新しい周波数にも対応してきています。これは L1 バンドよりも広い帯域幅を持ち、状況に応じますが、一般的に 精度が向上します。 他にも高層ビルが立ち並ぶ都市部において有利であったり、信号電力が高いことと広帯域によるマルチパス耐性の向上の関係で屋内でも L1 に比べて受信できる可能性があるなど、様々なメリットがあります。
iPhone では iPhone 14 Pro より Pro シリーズで対応が開始 されました。 iPhone 14, 15, 16 無印は非対応でしたが、 iPhone 17 ではついに無印でも L5 バンドが受信できるようになりました🎉 (残念ながら 16e, 17e は非対応)1
Android スマートフォンでも、以下のチップセット (SoC) 搭載機種からは L5 バンドの受信に対応しています。 (機種によっては無効化されている場合があるのでご注意ください!)
忘れちゃいけない A-GPS
実際に電波を受信して測位する GNSS だけに限らず、 A-GPS という機能もあります。これは携帯キャリアの基地局が自身の設置位置を元に、電波を受信しているデバイスに大まかな位置情報を伝える機能です。 Assisted GPS を略して A-GPS と呼ばれます。 GPS, L1 バンドのみかつまだまだ衛星数が少ない時代には、これがとても重要だった時代もありました。現在では衛星からの情報をネットワーク経由で再送信することで初回測位にかかる時間短縮などにも使われています。
この機能には大手キャリアでは軒並み対応していますが、一部の MVNO キャリアなどでは対応していない場合もあります。とはいえ、 L5 バンド対応デバイスであれば、もはや非対応のキャリアであってもそこまで問題に感じることはないかもしれません。 (筆者個人の感想です)
押さえておきたいポイントまとめ
「位置ゲー」を国内で快適に遊ぶなら、次のポイントを押さえたデバイス選びをしておきましょう!
- 対応する GNSS の種類が多いこと
- 他国の衛星も受信できる状況は多く、全部ちゃんと活用されます
- L1 / L5 両バンドに対応していること
- (おまけ) キャリアが A-GPS に対応しているか
もちろんこれは「位置ゲー」だけにかかわらず、 GPS (GNSS) を使うアプリケーションすべての快適性に影響します。 地図アプリも快適になるので、覚えておいて損は無いです!
ちょっとしたことですが、私自身も iPhone 15 Pro に機種変更した時に明らかな改善を感じられました。
これらを踏まえて、皆様も良き位置情報ゲームライフを送ってみてください!毎日がほんの少しだけでももっと楽しくなるかもしれません!
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- 高精度 2 周波GPSというのが L1 + L5 を指しています↩